一般社団法人岩手西北医師会

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研修会

平成30年度

《時間》15:30〜17:00 《場所》滝沢市役所防災庁舎2階201会議室

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地域包括ケア病床における在宅サポートの取り組みについて

平成30年5月30日(水) 滝沢中央病院 村田 郁美/滝沢 陽介
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口腔外科医から見た口腔ケアの実際 ~医療・介護領域における口腔ケア向上にむけて~

平成30年8月22日(水) 岩手県立中央病院 八木 正篤
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栄養に関するセルフマネジメント支援について

平成30年12月12日(水) 岩手県立中央病院 瀬川 さゆり
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在宅における薬剤師の役割

平成31年3月20日(水) 盛岡市薬剤師会 大橋 正和/平山 智宏
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平成29年度

《時間》15:30〜17:00 《場所》滝沢市役所防災庁舎2階201会議室

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結核について 〜病気の理解と動向〜

平成29年8月23日(水) 岩手県県央保健所
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精神疾患の医療介護の現場と多職種連携について

平成29年10月18日(水)

盛岡観山荘病院 副院長 ― 三浦 鉄
盛岡観山荘病院 開設 ― 平成17年7月1日
病床数 ― 173床
急性期治療病棟 ― 1単位 精神科一般病棟 ― 2単位
職員数 ― 約130名(医師・看護師・精神保健福祉士・作業療法士・臨床心理士 他)
訪問看護科は平成9年に設立(現在は地域生活支援部に所属)

以下〔平成28年度資料より〕

◇利用者数 ― 70名(男:33名、女:27名)

◇訪問看護年間延べ人数 ― 1,497名(月平均:125名)

◇訪問看護回数

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◇住居

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◇訪問地域

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◇利用者平均年齢 ― 男:56.7歳、女:55.5歳

◇病名
 統合失調症 90%
 うつ病 3%
 アルコール依存症 7%

◇再入院者数(9名)
 統合失調症(6名) 67%
 うつ病(2名) 22%
 アルコール依存症(1名) 11%

◇社会資源利用者
 障がい者枠就労者 7%
 作業所通所者 10%
 デイケアのみ 83%

《精神科訪問看護の役割》

1.再発・再入院の防止

精神科患者の中には退院後にきちんと外来受診できない患者がいる。例えば、統合失調症で症状が重い患者には幻聴・幻覚がひどく、外出もままならない患者もいる。他にも外出が怖い、人に会うのが怖いなど、いろいろな事情から外出できない患者が多い。そのようなことなどから外来受診中の中断につながり、さらなる症状の悪化をまねき、再発・再入院になることもある。こうした患者を定期的に在宅訪問し、症状の観察と内服管理の支援をすることによって、再発・再入院の防止と早期介入によって入院期間の短縮を図ることが精神訪問看護の役割の一つである。

2.患者の自立支援

訪問看護の目的は患者の自立支援であり、精神科訪問看護における自立支援には
①服薬管理の自立
②ADL(日常生活活動動作)の改善
③IADL(機能的日常活動動作)買い物に行ける、金銭管理ができる
以上が特に重要となる。

3.生活支援・生活リズムの調整

「夜眠れない」「日中眠気がある」などの訴えは、多くの精神科患者が抱える問題である。不眠傾向が持続すると不穏状態となりやすく病状も悪化する。生活リズムが整わなかったり日常生活(衣食住に関すること)において不都合が生じたりしている場合の相談・支援を行う。

4.社会資源活用、社会復帰支援

社会資源とは利用者のニーズを充足し、問題を解決するために活用される各種の制度・施設・機関・設備・資金・物質・法律・集団などのことである。訪問看護はそういった社会資源と患者の懸け橋となる。そのため、精神科訪問看護に関わる看護師・作業療法士・精神保健福祉士らは職種を問わず、地域におけるさまざまなフォーマル、インフォーマルな社会サービスについて熟知しておく必要がある。

5.服薬支援

患者が決まった時間に服薬できるように支援したり、副作用の観察および早期発見を行ったりする。精神疾患患者において「薬をのむこと」「のみ続けること」が症状の安定と生活の質を高める第一の方法である。自己判断で服薬を中断しないよう密な援助が必要である。服薬中断は精神疾患に特有な「病識の低さ」にもよるが「副作用」によることも多い。精神薬の副作用によって体重増加、口渇感、倦怠感などを生じることも多い。こうした副作用について観察し、主治医と連絡を取りながら服薬支援を行う。

6.コミュニケーションによる病状観察

精神科訪問看護では、特別な医療措置を行うというケースは少なく、むしろ患者とのコミュニケーションが中心となる。コミュニケーションを通して患者の状態に変化がないかを確認する。中には、家族や社会から孤立しがちになる患者も多い。それが症状を悪化させる要因になることもある。精神科訪問看護は患者本人だけではなく同居している家族も支援の対象となる。訪問看護で患者本人と家族の間を取り持ち、双方が良好な関係を築けるよう、医療者視点から助言することが大事になる。

7.精神科医療連携

最近は、精神科訪問看護師が「相談支援員」として高齢者の介護保健サービスにおけるケアマネージャー的な存在になっている場合がある。障がい者福祉サービスなどを利用していない精神疾患患者における在宅医療では「訪問看護師」が中心になって、その患者を支援することもある。そのため、訪問看護師は主治医、医療機関との連携だけでなく、様々な職種と連携する必要がある。多職種連携が叫ばれる中、精神科に限らず、連携の要として訪問看護師に期待される役割は大きい。

精神科訪問看護の利用者は、前述したようにさまざまな背景を持っている患者である。
▷ 疾患に不安を抱えている
▷ 日常生活への適応に不安を抱えている
▷ 生活リズムが整わない
▷ 薬をきちんとのめない
▷ 外来通院が途絶えがちとなる
▷ 家族とのかかわり方が分からない
▷ 病気と向き合いながら就労したい
  など、多様な悩みを抱えている。
こうした患者が、精神科における専門知識や経験のある訪問看護師と向き合って、コミュニケーションによる支援を受けられるのが精神科訪問看護である。

《多職種との連携について》

会議1:地域生活支援会議 月1回開催

・職種それぞれの役割
医師:指示と評価判定
訪問看護師:状態報告(4ヶ月に1回の評価内容含む)
精神保健福祉士:社会資源の活用・手続き等について
デイケア(作業療法士):デイケア通所者の様子報告・中断者への訪問依頼
外来看護師:外来通院者の動向、中断者の確認・電話相談者 件数報告

・対外的
施設:相談職員、世話人
グループホーム:世話人
地域生活支援センター
ケアマネージャー

会議2:地域移行推進室会議

・長期入院患者の地域移行について協議
職種:医師。看護師、精神保健福祉士。作業療法士、事務員
移行先:自宅・障がい者グループホーム
社会復帰施設・高齢者施設 等
協議内容:各病棟より地域移行に向けた患者の推進状況について報告
会議参加メンバーから介護認定申請の助言など、地域移行
実現のためのアドバイス
その他 情報交換

救急の現状と地域医療に望むこと

平成29年12月20日(水) 滝沢消防署 今松 修

《盛岡地区の救急活動状況》

過去10年間の救急出動件数の推移(事故種別)

・管轄面積3,641㎢(消防本部では日本一の広さ)

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* 急病が全体の64%。事故種別で「その他」は、ほとんどが転院搬送(ドクヘリ211)
*(救急車18台で運用)東北では、仙台市についで2番目に救急件数が多い。
・119 年間2万件(一日平均55件)うち約3,000件が、いたずら、誤報、無応答など

救急搬送の発生場所別の状況

平成28年1月1日~平成28年12月31日

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* 住宅での発生件数が53%。
* 不搬送1,201件
・人口 472,772人(約30人に一人が救急車を利用している)全国 約23人に一人

年代別の搬送状況

平成28年1月1日~平成28年12月31日

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* 全体では、約47%が軽症であるが、高齢者の場合は63%以上の方が中等症以上となっている。
救急件数の増加は、高齢者からの要請が毎年約200件以上増加していることから、高齢者の救急需要の増加が救急件数の増加に繋がっているといえる。

119番通報

昨年6月から、盛岡地区、北上地区及び奥州金ヶ崎地区の119番はすべて盛岡消防本部の建物内にある「県央指令」に入ることになりました。
119番を掛けると、以下に書かれていることを聞かれます。
①火事ですか救急ですか?
②救急車が必要な場所の住所を教えてください?
③どなたがどうされましたか?
④その方は、意識はありますか?または、お話はできますか?
⑤いま掛かっている病院と病気は分かりますか?(困ったこと:個人病院と孝仁病院)
⑥その他に、掛けている方の名前と電話番号を聞かれます。
*119番を受けた時点で、住所が地図表記されます。(GPS解除、IP電話を除く)
*火災か救急か分かると、一番近い場所にいる隊を出動させます。
*今年の10月からは、三者間同時通訳による119番多言語対応も行っています。
(英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語)
*要援護者がいる家庭は、消防の地図上に表記しています。(火災や救急で活用)
・岩手町と矢巾町を除く(役場から個人情報ということで資料を貰えていない。)

救急隊が到着したら

救急隊が到着すると、事故の状況や掛かりつけ病院など詳しく聞き取ります。
お薬手帳がある場合は、必ず持参してください。
また、救急車内に収容してから血圧の測定、血中酸素飽和度や脈拍の測定、心電図の測定などを行います。糖尿病の傷病者に対しては血糖値の測定を行う場合もあります。
これらの測定を行ってから、病院に傷病者の状態を伝え収容可能かどうかを確認し搬送します。
(患者のバイタルサインを伝えることは必須になっています。)
心肺停止傷病者の場合は(通報時点で心肺停止が疑われる場合)、救急車で出動途上に事前に病院連絡をして収容依頼をする場合もあります。(指示を受けての処置が早い)(また、多発外傷や脳疾患、心疾患の疑いがある場合ドクヘリを要請する場合もあります。今年は、蜂刺傷によるショックと熱中症での要請が多くありました。)

救急隊員のできる処置

(⑥~⑩までは救急救命士のみ)
①血圧測定 ②血中酸素飽和度の測定 ③心電図測定 ④聴診器を使った心音、呼吸音の聴診 ⑤電気ショック ⑥気管挿管等 ⑦輸液 ⑧薬剤投与(アドレナリン) ⑨血糖値の測定 ⑩ブドウ糖の投与
*⑥~⑩は特定行為と呼ばれ、医師の指示を得て行うことができる。
*以前は、心肺停止の傷病者にだけ許されていたが、H26からショック、低血糖も
(指示病院:岩手医大、県立中央病院、盛岡赤十字病院)
(特定行為の実施にあたっては、必ず医師の指示を受けるなど制限があります。)
(特定行為のできる場所:現場と救急車や防災ヘリの中)

救急現場で感じること

在宅医療を受けられている方で、救急車を呼ぶ方はさほど多くはありません。
ですから、以下に記載していることは在宅医療に限ってのことではありませんが…
問題となるのは次のような場合です。
①老人世帯のみの方や一人暮らしをされている方で、119番の仕方が分からない。
(若い人でも、慌てると119の番号を思い出せない人もいます。)
電話機のそばに、火事と救急は119と書いた表示を…
②転倒による怪我や具合が悪くなっても我慢をする。
(数日たってから救急車を呼ぶ。高齢者の骨折など一週間経過して要請など…)
③家族と同居をしていても、掛かりつけの病院を家族が知らない。病名も分からない。
④処方されている薬を飲んでいないのか、箱に多量の薬を溜め込んでいる。
(精神科疾患の患者に多く見られる)
⑤一人暮らしの方で、家族等の連絡先が分からない。
滝沢市の場合は、救急医療情報キットの配布を行っています。
各市町村でも配布しています。(盛岡「あんしん連絡パック」)
(申請と配布は、滝沢市健康福祉部 地域包括支援センターで行っています。)
問題点 ・容器が冷蔵庫のドアポケットに入っていない。
・冷蔵庫の奥に入れており、食品で見えなくなっている。
・あっても用紙に記載されていない…
⑥救急隊員に、救急車を呼ぶことになった状況を話さない。
「病院で先生に言うから早く連れて行け」など
⑦心肺停止傷病者に対するバイスタンダーCPRが少ない。(42.5%)
昨年395人中168人に行われていた。5年前までは55%以上…
毎年約1万5千人の方が、救命講習を受講しているが増えていません。
(発見から通報までの時間が遅い。近隣の家庭に助けを呼んでからの通報も)
中には、喪服を着た人たちが並んでいるところに呼ばれたことも…
*救急車は、119番の受信から現場到着するまで全国平均で約8.6分掛かっています。
原因:高齢者や軽症者の需要の増加や道路の慢性的な渋滞など交通事情も影響
・末期癌の方に対して、救急要請を受ければ病院までは心肺蘇生法等を必ず行います。
DNR:(do not resuscitate)蘇生措置拒否を宣言されている方の場合
DNAR:(do not attempt resuscitation)蘇生する見込みがないのに試みるな
(DNARを宣言している場合は、収容医療機関の医師に相談して搬送)
*現場で、明らかに死亡していると認められる場合は、救急隊は搬送しません。
その場合は、現場を警察に引き継ぐことになっています。
・警察では、関係者から事情聴取や死体検案をして事件か病死かを判定します。
掛かりつけ医がない場合は、警察が協力依頼している地域の医師を呼んで死亡診断となる。(この間、数時間かかります)

寒い季節になりました

・これから寒い冬を迎えると、ヒートショックによる浴室での事故も多くなります。
2012年に東京都健康長寿医療センターが、厚生労働省の調査結果と東日本の消防本部に問い合わせ調査した結果が出ています。
このうち81%の消防本部が回答し、心肺停止で発見された高齢者が9,360人いた。
この数から推計すると、全国では年間17,000人の方が死亡し、うち高齢者が14,000人に上るのではないかといわれています。
(日本は、世界と比較するとダントツの1位…2位の韓国の4倍となっている。)
都道府県別:発生率で一番少ない県は、沖縄県 次いで北海道の順となっています。
・沖縄県は、浴槽を設置している家庭が少なく、ほとんどの家庭がシャワーで、お湯につかる習慣がないため浴室での心肺停止が一番少ない。
・北海道は、全室暖房を入れているなど、浴室との気温環境の差が小さいため少ない?
(岩手県は、少ないほうから19番目です。)
発生率のワースト3(1万人当たり) 香川、兵庫、滋賀 次いで東京
入浴前に脱衣場、浴室は暖めておくなど、ヒートショックにならない対策が必要です。
お願いしたいこと 浴槽内で意識消失していたら、浴槽のお湯を抜いて毛布などで保温を。
参考:地域ごとのヒートショック予報を、日本気象協会で出しています。

*高齢者ほど119番通報を、ためらう傾向が見られます。(我慢強い?)
中には動けなくなるまで、救急車を呼ぼうとしない人も多いです。
*また、緊急通報装置を設置している方で、誤って火災信号や救急信号を押してしまう方がいますが、そのような場合は「間違って押してしまった。」と言ってください。
何も応答がない場合は、県央指令で逆信をしますので必ず応答するようにしてください。
警備会社と契約している場合は、警備会社から確認の電話が入ります。
*応答が無いような場合や、救急隊のみでの対応が困難と判断されればPARで出動。
*いずれにしても、すこしでも不安なときは、早めの119番通報をお願いします。

平成28年度

《時間》15:30〜17:00 《場所》滝沢市役所防災庁舎2階201会議室

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